当記事は、これからシンセサイザーの勉強をしようと思っている読者をターゲットに、初歩的な部分から解説する記事となっています。
シンセの使い方の話は、聞きなれない単語が沢山出てくると思うので、「ここの仕組みは解説しなくても音作り出来る」という部分は全て割愛させて頂きます。
また、各種ツマミやボタンの機能については今後掲載予定の
「実践編」にて紹介したいと思います。
基本の3構造、音が流れる順番とその役割
恐らくここで紹介するVCO、VCF、VCAという3つの言葉が理解出来ず、挫折した人は少なくないと思います。どのサイトや本を読み漁っても、一番最初にこの解説が入ると思います。...ここを解説せずにシンセの構造を理解することは難しいからです。
ですが、これを理解出来ると「シンセサイザーの使い方を5割理解した」といっても過言ではないでしょう。
一緒に頑張りましょう!!
基本の3構造。矢印は音が流れる順番を示しています。
一つ一つ順を追って説明していきます。
※VCFからVCAにかけての矢印が小さくなってますが、意味はありません。
構造1 : VCO(OSC・OSCS・Oscillator・オシレーター)
()内に書いたものは全て同義です。シンセによって表記が違います。
音を発生させる部分。基本的にはこれがないと音が鳴りません。
また、大抵のシンセにはあらかじめ幾つか音波が用意されていて、その中から出したい音波を選択して発生させます。
シンセサイザーの語源は「synthesize」つまり、「合成」ということで、
オシレーターが複数設置してあり、それらを同時に発生させることで様々な音を作り出せます。(シンセの方式によっては全く違うものもある。)
ここだけの話、シンセの左上に設置されていることが非常に多いです。
構造2 : VCF(Filter・FLT・フィルター / LP・HP・BP・LPF・Cutoff)
()内はシンセによって表記が違います。LP以降に表記しているものは、厳密にはフィルターを表す言葉ではないですが、これらが表記されていればその部分は高確率でフィルターです。
音色を変更させる部分。「特定の周波数の音を遮断すること」で音色を作る。
3つの構造の中で、恐らく一番理解に時間がかかる部分です。
オシレーターで作った音をイジる部分なのですが、
極端に設定すれば、こもったような音色・耳にキンキン刺さるような音色を作ることが出来ます。
大抵はオシレーターの右隣に設置されています。
構造3 : VCA(Amplifier・AMP・アンプ)
()内に書いたものは全て同義です。シンセによって表記が違います。
音量を操作する部分。
シンセによっては音量だけでなく、定位(左右のバランス)を操作できます。
恐らくほぼ全てのシンセに搭載されています。
また、ここの数値が最小に設定されている場合、音が鳴りません。
これらの構造がソフトシンセのどこに組み込まれているのか。
例としてソフトシンセを3つ紹介します。
赤枠内がVCO(オシレーター)
青枠内がVCF(フィルター)
緑枠内がVCA(アンプ)
となっています。
windows・mac両方で使える超有名なフリーシンセ「Synth1」の場合。
Native Instruments社の人気有料シンセ「MASSIVE」の場合。

DAWソフトLogic Pro X内臓シンセ「Alchemy」の場合。

今回紹介した3構造を理解できると、ご覧の通り画面の半分近くを理解できたことになります。
音作りの幅は狭まりますが、この3箇所以外の電源を切ったとしても、シンセとして音を作ることができます。
最後の画像の「Alchemy」の場合
VCO(オシレーター)の部分がSOURCESと表記されていたり、
VCA(アンプ)の部分がMASTERと表記されていますが、役割としては同じです。
まとめ
ここで得た知識は多くのシンセで活かせることができる知識です。
「DTMをしていて、これまでプリセットしか使ったことがない方」って少なくないと思うのですが、シンセの使い方が一通り分かるようになると
「このプリセットあと一歩だなぁ」といった音色を最適なものに作り直すこともできるようになります。(僕はまさにこれのために勉強したようなモノです。)
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
ペーでした。おおきにっ!
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